医師が転職する理由はさまざまですが、その転職をしたことで、収入がアップされた方も多いと思います。
特に医師が保険診療から自由診療のクリニックへ転職した際、収入の大幅アップは珍しくありません。しかし、収入アップの額面だけを見ているだけで大丈夫なのでしょうか。
収入がアップすると、それに伴って税率もアップします。
その税金分で自分の資産が増やせたらいいと思いませんか?日常的に忙しく、対策に手が回らず税金を払い、将来の資金がなかなかたまらないことがあるかもしれません。
今回は、知っておくべき節税の基礎知識を解説いたします。
目次
損をする前に!所得が増えた時は早めの節税対策を
所得をアップした際に節税対策をしていないと、ただ家計に影響を与えるだけでなく、将来の資金も貯まりにくくなります。
節税のために将来の資産を形成していくと、ただ税金を払うより、退職後も非常に安心できます。
少しでも資産を無駄にしないために、今から節税対策を始めませんか?節税対策が必要な理由から、メリットまでわかりやすく解説いたします。
医師は節税対策が必須!その理由とは
医師が保険診療から自由診療のクリニックへ転職した際、収入が大幅にアップすることがあります。
その分、所得税・住民税・保険料が増えますよね。今後10年・20年と支払い続けていくことを考えると、節税対策をした場合としなかった場合とでは、最終的に得られる金額に大幅な差が生まれます。
医師のように高収入の方だと、その差が特に顕著に現れてくることでしょう。
逆に考えると、課税所得を減少させることができれば、支払う税金も少なくなります。そのために、節税の対策をする必要があるのです。
将来の資産を無駄にしないためにも、節税対策を始めましょう。
節税のための資産形成!節税対策のメリット
節税対策をするためには、資産形成がおすすめです。
具体的な節税対策の方法に関しては後ほど説明しますので、まずは節税対策によるメリットを解説します。
- 納税額削減
- 資産ができる
- 不労所得で老後も安心
節税対策をすることで納税額を削減することができ、将来的に資産として手元に残る額が多くなります。
節税をする上で、例えば不動産投資などを行うと自分の資産にできます。ただ税金を引かれていくよりも、自分の資産を得つつ税金を払った方が自分の得になります。
不動産投資などであらかじめ自分の資産が形成されていると、老後も収入が望めるので安心です。
大きく分けて上記のメリットが挙げられます。
つまり、自分の資産を形成することが、結果的に納税額を減らす節税対策になるというわけです。
医師の節税対策が必要になるタイミングはいつ?
それでは、節税対策が必要になってくるタイミングはいつなのでしょうか。自分は対策の必要があるのか?あるとしたらいつから、どれくらいの収入から始めればいいのか?そんな疑問にお答えします。
節税対策が必要なタイミングとは?キーワードは「自費診療」と「年収」
医師が節税対策を始めるタイミングで最も多いのが、「保険診療」から「自費診療」のクリニックに転職した時です。
なぜかを簡潔に言うと、「年収が上がるから」です。
所得税は「累進課税」の方式で、税率が決まっていますよね。
「保険診療」から「自費診療」で年収があがることによって、税率のボーダーラインを超えてしまうのです。
自費診療に転職する以外でも、院長の役職に就いて年収が上がった時も要確認です。
つまり「年収」が上がる、もしくは上がりそうなタイミングで、節税対策を視野に入れていきましょう。
医師の年収と税金の関係 どれくらいの所得で対策が必要?
科目にもよりますが保険診療医師の平均年収が1000万〜1200万に対して、自費診療医師の平均年収は1800万〜2000万です。
所得税の課税率を見てみましょう。
所得税の速算表
課税される所得金額 | 税率 |
195万円以下 | 5% |
195万円を超 330万円以下 | 10% |
330万円を超 695万円以下 | 20% |
695万円を超 900万円以下 | 23% |
900万円を超 1,800万円以下 | 33% |
1,800万円を超4,000万円以下 | 40% |
4,000万円超 | 45% |
1800万円から税率が上がるので、控除額に大きな差がでてきてしまいます。
自費診療で年収が1800万円以上になることによって、課税のボーダーラインを超えてしまいます。
年収が1800万円を前後しそうな時、税率と節税対策をチェックしましょう。
節税対策の具体的な方法は?
もしかしたら節税対策が必要かもしれない…何が節税対策になるの?と言う方に向けて、具体的な対策方法について解説いたします!
身近な方法から将来的な資産につながる方法までありますので、あなたにあった対策方法を見つけてください。
不動産投資
そして節税対策としては、物件に関係する諸々の費用を経費として計上することで、課税所得の削減を図るというものです。
不動産による節税対策は、登録免許税や不動産取得税など、金額が大きい項目を含めることができるため、節税効果も高くなります。
不動産投資のメリットは、資産形成をしながら同時に節税ができるところにあります。同時に家賃などの収入もあるため、リターンも見込める対策です。
ただし、損失を発生させるリスクもあるのが不動産投資です。
不安要素がある場合は、コンサルタントに任せるなどして、うまく節税対策に役立てましょう。
海外不動産投資
海外不動産投資のメリットとしては、まず「日本よりも建物の価値が下がりにくい」点があげられます。
日本では建物の価値はすぐ落ちてしまいますが、海外の建物の価値は下がりにくい傾向にあります。そのリスクが少ない上に、購入時とさほど変わらない価格で転売することも可能です。つまり、節税効果のみを享受する形で物件を手放すことが可能というわけです。
もう一点、「資産運用に関するリスクの分散」があります。
少子高齢化や経済停滞が目立つ日本において、今後は円安が進行していく可能性が高いです。日本資産のみ保有していることはリスクが大きくなってしまうので、海外資産を持つことでリスクを分散させることができます。
ただ海外というだけあって、情報取得が困難であったり、カントリーリスクなどもあります。こちらも、国内の不動産投資と同じくコンサルタントに任せるか、きちんと運用計画を立てて対策を行いましょう。
ふるさと納税
最近よく聞くふるさと納税ですが、こちらも節税対策になるのです。
ふるさと納税は、任意の自治体に税金を前払いすることで、金額に応じた返礼品を受け取れる寄付制度となっています。
納税できる金額は、その人の所得に応じて上限が決められています。所得が高い人ほど、多くの額を納税できる仕組みです。
納税額の上限は家族構成や年収によって異なります。また住宅ローン控除を受けていたり、お住まいの市区町村によって変わってくるので、あくまでも目安としてお考えください。
そもそもふるさと納税は、地方自治体の税収を増やすことが目的なので、あまり大きな節税は難しいかもしれません。ドクターの節税対策には不向きな点もあります。
ただ、節税対策の中ではローリスクかつ手続きも大して手間がかからないので、気軽に始められます。さらに地方の返礼品を受け取ることもでき、納税した地方も税収ができるため、各方面に嬉しい節税対策となっています。
起業
給与の支払いを受けた人が控除制度を利用することで、さらに節税できたりと、かなりの節税が見込める対策となっています。
さらに現役医師であることを生かした起業ができることもポイントです。特に自費診療の場合需要があるサービスを提供できるので、うまくいけばまとまった収益を上げることが可能です。
もちろん起業・会社運営は簡単なものではありません。数々の手間や出費が必要なので、きちんと検討してから対策を行うようにしましょう。
特定支出控除
- 通勤費
- 転居費用
- 職務に必要な研修費
- 職務に必要な資格取得日
- 単身赴任時の帰宅時の交通費用
- 職務関連の書籍費
- 職務で必要な衣服費
- 取引先などの交際費
確定申告などが必要ですが、それなりの節税が見込めます。
収入に応じた金額が特定支出控除となり、開業医や一般会社員でも変わりありません。
利用条件が厳しい部分もあったり、多くの還付は難しいかもしれませんが、全ての方に与えられている権利なので行使した方が得だと言えるでしょう。
個人型確定拠出年金(iDeCo)
個人型確定拠出年は以下のメリットがあります。
- 掛け金が税額軽減の対象となり、所得税・住民税が軽減される
- 運用コストの安い投資信託商品が利用できる
- 受給時に所得控除が受けられる
確定拠出年の特徴として、拠出金が60歳になるまで受け取れませんが、長い期間をかけて着実に資産形成できます。
少ないリスクで始められ、通常の年金より手元に残る額が多くなるので、こちらも節税対策としては有効です。
節税できる見込み額はいくら?
さまざまな節税の対策方法に関してご紹介しましたが、結果どれくらいの額が節税できるのでしょうか。
対策の内容にもよりますが数万円〜30万程度、不動産投資による対策だと数百万単位の節税が可能です。
ふるさと納税・特定支出控除・確定拠出年金あたりだと、数万円〜30万程度になります。
やはり大きい額の節税をしたい場合は、不動産投資がおすすめです。リスクがかかってしまう面もありますが、きちんと管理をし、不安であればコンサルタントに任せることで問題が解消できます。
医師であれば収入も多く、税金を引かれる額も多くなります。その分、多くの節税をする必要がありますので、不動産投資を検討してみてはいかがでしょうか。
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節税対策を全て一人でしようとすると、手間・時間・費用がかなりかかってしまいます。
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